スタートアップにおける開発。技術者が語るLexxPluss — Interview Series #4

LexxPluss
Jun 20, 2022

「ハードとソフトで役割を分けない」「役割だけでなく責任自体が明確に分担されている」など、独特の組織とカルチャーを持つLexxPluss。これは単に人事制度上にとどまらず、開発現場にも深い影響を与えている。

今回はLexxPlussにおける開発の特色について、3人のエンジニアに話を聞いた。(Interviewer:橋本清花)

エンジニアの紹介三浦 康幸 Chief Software Engineer / Software Platform Team
ロボットのソフトウェア開発全般を担当。
朱 承儒 Production&Quality Engineer / Robotics Platform Team
生産と品質に関するロボットの組み立て、組み立てにあたってのマニュアル作成・出荷確認項目の作成等を担当している。
小山 修史 Robotics Engineer / Robotics Platform Team
メカ設計、エレキ設計、ハイブリットAMRロボット等のハードウェア開発を担当。

~ハードウェアとソフトウェアの両方を駆使した開発~

(橋本)LexxPlussでは、「ハードとソフトで役割を完全に切り分けていない」や「それぞれの責任分担が明確」などの特徴がありますが、具体的にはどのような動き方をしていて、働いてるみなさんはどう感じていますか。

(三浦)おっしゃる通り、ハードとソフトを完全に切り分けていないので、ハードウェア開発の人とあーでもない、こーでもないと話しながら開発を進めることができるので楽しいですし、結構珍しい環境だと思います。前職では、他部署との協業が重要と言いつつも、どうしても自部署の利益を守ることが優先されてしまい、本質的に重要なことに取り組めない機会が多々ありました。LexxPlussでは、ハードで困ったことをソフトで対応したり、逆にソフトで困ったことをハードで対応したりするので、解決策の選択肢がかなり広がりましたね。例えば、ロボットと台車を接続する部品の大きさや形状をどうするかについても、ハードとソフトで侃々諤々(かんかんがくがく)な議論をしていたりします。

LexxPlussでは、ハードとソフトの垣根を越えて議論が行われている

(小山)話し合いを進める中で、3つの接続部品のうち、1つはこういう形状にしようとか、残りは別の大きさにしようとか、ソフトウェア開発の人と話し合うことでアイディアや解決策の糸口がみえてくるんですよね。大きな組織の場合、ハードとソフトの垣根に「仕様書」が存在しているので、互いの考えや想いをスムーズに共有できないことにもどかしさを感じていました。今は話し合いながらすぐにアップデートできるので、「実行→改善」を回すサイクルがとても早いです。

(三浦)一方通行のコミュニケーションから、双方向のコミュニケーションに変わった感覚はありますね。

(朱)僕は生産・品質の担当をしているのですが、全ての領域で全体像を持ちながら仕事ができる点も魅力ですね。

(小山)同じくです(笑)全体像を描きながら、ハードウェアからソフトウェアまで幅広く携われています。一般的に、メカ設計者はメカを設計するという一点のみに従事していることが殆どだと思います。一方、私が担当している業務は、ハードウェアの知識はもちろん、ソフトウェアの知識も必要だったりするので、そんな時は三浦さんによく相談させてもらってます。各分野の知識を集結させて、一つのモノを創り上げる感覚がすごく面白いなと思います。

(橋本)ハードウェア開発担当者にとってソフトウェアの知識が必要な場面とは具体的にどのような時ですか。

(小山)例えば、このチップはロボットを動かす為の「神経」となる部分で、ソフトウェア領域になります。一般的にはソフトウェア担当者が開発するのですが、LexxPlussではハードウェアの開発者たちが担当しているんです。というのも、仮にユーザーからスイッチをつけて欲しいといった要望があった場合、ロボットを動かす為の「神経」となるソフトウェア領域のことを理解していないと、お断りしてしまうことになりかねないためです。

(三浦)僕たちがハードとソフトを完全に切り分けずにモノを作っている理由はそこにあります。単純に良いものが作れるからの一言につきますね。

(橋本)それぞれ担当されている専門性やカバーできる領域は違っていても、互いに補い合う組織なんだと思いました。

(朱)開発者はそれぞれ抽象度の高いタスクをもっています。さっきの話にもあったように「台車とロボットをしっかり接続する」とか「正確かつ安全に走行する」など、細かな仕様は自分たちで決めて進めていきますが、あらかじめ答えが明確に定まっているわけではないので、その過程で行き詰ることもあります。その際に助けを求めることができ、一緒に考えてくれる仲間がいることは心強いですね。

(橋本)責任と協力のバランスが絶妙です。開発においてそれぞれ印象に残っている修羅場などはありますか。

(三浦)そうですね、ロボットを動かす車輪はモーターで回しているのですが、そのモーターの通信仕様を設定していた時に、これで動くはずだと思って何度トライしてもしばらく動かない時期がありました。その時はエンジニアのメンバーに相談したり、阿蘓さんの昔のツテをたどって聞いてみたり、色々と試行錯誤しました。そうする中でアイディアを得て最終的に解決したのですが、突発的な事象が発生した時には、みんなで協力して取り掛かるようになっているので安心できます

自動搬送ロボットに使われているモーター

(小山)新しい機種をつくる時はいつも修羅場です(笑)イチから何かを創り上げる時は、どうしても壁にぶちあたる局面に遭遇します。ロボットを作る材料の一つに板金というものがあるのですが、板金の会社に直接問い合わせたりしていましたよ。内部にとどまらず外部の方にまで協力を仰いでモノづくりをしている感覚がありますね。各メンバーそれぞれが裁量をもって動いているので、こんなにフットワーク軽く、色々なことに取り組めることって今までにない経験でした。自身の成長にも繋がるので、大変なこともありますが、エキサイティングで楽しいですね。

(橋本)朱さんはいかがですか。

(朱)部品の調達関連で、生産計画が予測できなかったりする時は、いい意味で常に燃えています。あと、私が入社した1週間後にインターン生の指導をしたり、インターン生に仕事を任せたりしなきゃいけなかったことも結構大変でした(笑)

(橋本)まだ右も左も分からない状態の中でそのミッションは大変そうですね(笑)

(朱)はい、ご想像の通りです(笑)ただ、困ったことや聞きたいことがあれば丁寧に教えてくれる人たちが多いので、とは言いつつ、仕事には取り組みやすかったですね。

~本質的価値を追求する組織~

(橋本)皆さんが感じるLexxPlussってどんな組織ですか。

(朱)大前提として、お客さんの課題を解決することが僕らの為すべきことです。加えて、自分たちが納得できるような商品を提供したいという想いも強いです。たとえ商品として完成されていても、もっとこうすべきだったとか、更なる改善の余地ってあると思うので、ちゃんと納得できる商品を届けたいと思っています。以前は、自分が与えられたことをしていればそれで充分だったので、それ以上の何か新しい取り組みをすると、一から情報収集をしたり、承認を得たりなど、足掛かりで動けなくなることが多かったんです。その点LexxPlussでは、決断も早く、進めるスピードも早いです。困難を分かち合ったメンバーと共に仕事ができている感覚があります。チーム全体で一つのゴールに向かって船を進めているような感覚が強いですね。

(橋本)皆さん根底に同じ共通認識がある印象を受けました。

(三浦)そうですね、お客さんに本質的に価値のある商品を届けたいという共通認識をそれぞれがもっているところが、LexxPlussのエンジニアの特徴だと思います。だからこそ、誰か一声をあげるとさっと仲間が集まって、方向性や解決策を提示し合う協力体制があるんだと思います。何かをする時の判断が早いことはもちろん、長期的な視野を見据えてますね。

~様々なバックグラウンドをもつメンバー それぞれの色や持ち味の発揮~

(小山)私は、LexxPlussに入社してからいろんな機会があり、いろんな人に出会えて刺激をもらっています。世界でも稀有な個人での自動運転ソフトウェアの開発されている三浦さんと一緒に仕事をしていること自体が僕にとってのワクワクですね(笑)

(三浦)(笑)

(小山)また、モノを作る上で中国の会社とやり取りをすることが多いのですが、イメージしている商品が見当たらず諦めかけていた時に、朱さんがすぐに中国のメーカーに問い合わせをしてくれて、「僕たちのために作ってくれることになりましたよ」と、ものの2、30分で解決するといったこともありました。朱さんは、中国語も英語も日本語も話せるトリリンガルなので。

(橋本)心強すぎますね。メンバー一人ひとりの個性や持ち味が最大限生かされている感じですね。

~まだまだ吸収していきたい~

(橋本)皆さんが個人として目指したい理想のエンジニア像はありますか。

(三浦)全体ミーティングでどうなりたいか、自分の目標とするヒーロー像をシェアする会があったのですが、私はソフトウェア全領域をカバーできる開発者になりたいと伝えました。ソフトウェアといっても、webのアプリやOSなど色々ありますが、全てにおいて知見があるエンジニアになりたいです。

(小山)私も何でもやってみたいタイプなんですよね(笑)多種多様なお客さんのどんな要望にもこたえられるような会社にしたいですし、そういう開発者になりたいですね。ロボットの技術についても垣根を設けることなく、どんどん吸収したいです。

(朱)僕もなんでもできるようになりたいっていうのはあります(笑)入社してから今まで想像もしていない機会や経験に恵まれていると実感していて、この環境を活かしてさらなる成長をしたいと考えています。

(橋本)皆さん揃って探求心がすごいです。本日はありがとうございました!

--

--

LexxPluss

Japan-based startup working on the next generation of human-centric autonomous robot for warehouses and factories / https://lexxpluss.com/